真剣勝負の白衣授与式
昨日の4月29日は、一般の人々の間では休日ですが、鈴鹿医療科学大学ではカリキュラムの関係で授業が行われ、出勤日になっています。この日、薬学部の白衣授与式が行われ、学長も挨拶を求められました。去年も挨拶をさせていただき、ブログでもご報告しましたね。
前々回のブログで、新1年生全員を白子キャンパスに集めて行う初年次教育「医療人底力教育」をご紹介しましたね。白子キャンパスには薬学部と看護学部もあります。本部は千代崎キャンパスにあり、この日は、千代崎キャンパスから白子キャンパスに向かいました。
白子キャンパスに行くと、入学式の式辞だけでは学長を認識できるようにならなかった新1年生が、ちゃんと僕を認識できるようになったようで、「学長先生、いっしょに写真を撮ってください」と写真撮影を求められました。もちろん、よろこんで学生たちといっしょに写真に収まりましたよ。
白衣授与式の行われる白子キャンパスの講堂では、今回白衣が授与される病院や薬局の実習に出る前の5年生が前列の真ん中の席に、それを挟む形で上級生と下級生が座り、そして、後方席にはご家族の皆さんが参加しておられました。ちなみに、最近、子供の入学式などに参加する家族が増えていることが話題になっていますが、鈴大は大歓迎ですよ。
式典は、学長挨拶から始まり、学部長挨拶、三重県薬剤師会副会長挨拶、6年生のメッセージ、そして、学部長から5年生一人一人に白衣が手渡され、その後、一斉に白衣を着衣し、最後に5年生代表が誓いの言葉を述べます。
下の写真は、白衣授与式が終わった後の写真です。上級生、下級生は退席し、5年生の学生たちが残って、壇上に上がったりして記念撮影をしていますね。式典の間は僕はずっと壇上に座っているので、自分自身では写真を撮ることができず、終わった後の写真をアップさせていただいた次第です。

僕の挨拶の内容は、入学式や卒業式の式辞と同じように、本質的な部分は過去の式辞と同じです。
ブルーの「白衣」やピンクの「白衣」もあるのですが、「白」が象徴する意味としては、やはり「純粋さ」ということがあると思います。つまり、医療従事者には、自分の利益を考えずに純粋な気持ちで、患者様の立場にたって思いやりのある医療サービスを提供することが求められており、その象徴が「白」衣である。
もう一つ、「白衣」を身につけるということは、その人がその道の「専門家」、「プロフェッショナル」であることを象徴していると思います。偉い学者や「博士(はかせ)」の写真や絵は、必ず白衣を着ていますからね。
「白衣」を身につける人は、周囲からそのように思われ、それが期待されている。ということは、「白衣」を身につける人は、周囲からのそのような期待に応える重い責任がある、ということです。
毎朝、皆さんが白衣を身につける時、「今日一日は真剣勝負だぞ」と思っていただきたい。そして、純粋な気持ちで患者様に思いやりの心をもって接し、自分が身につけた専門的知識・技能・態度を全身全霊をもって発揮していただきたい。そして一日が終わって白衣を脱ぐ時には、ほんとうに白衣に恥じない行動をしたのかどうか、その日を振り返っていただきたい。
僕の挨拶の主旨は、だいたい、こんなような内容でしたかね。
それから、今回は白衣や白衣授与式の歴史についても、少し説明をしました。調べてみると白衣の歴史は、想像していたよりも、新しいようです。欧米で使われ始めたのが19世紀の終わりころかららしい。それまで、医者は黒い服を着ていたようです。
白衣授与式の方は、諸説があるようですが、1993年にアメリカのコロンビア大学医学部で始まったようです。"The Arnold P. Gold Foundaton"のホームページをみると、"Celebration at a reception with students' invited guestsThe White Coat Ceremony was initiated on August 20, 1993 at the Columbia University College of Physicians & Surgeons. "と書かれています。
薬学部については、1995年ころから始まったようです。その後、欧米の大学に急速に広まり、今では日本の医学部や薬学部でも、ほとんどの大学で白衣授与式が行われているようです。僕のいた三重大の医学部でも、10年くらい前から始めたように記憶しています。
"The Arnold P. Gold Foundaton"のホームページには、"The event emphasizes the importance of compassionate care for the patient as well as scientific proficiency"という記載が見られ、僕が挨拶でお話した二つのことと同じことが述べられています。
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